長らく登場が期待されていたヤマハの新型スーパースポーツ、「YZF-R9 ABS」が正式に発表されました。本モデルは、高い走行性能と幅広いステージでの扱いやすさを両立させた、新世代の「R」シリーズを象徴する一台です。
パワーユニット:トルクフルなCP3エンジンを搭載

YZF-R9の心臓部には、MT-09で実績のある888cc水冷・直列3気筒CP3(クロスプレーン・コンセプト)エンジンが採用されています。
- エンジン特性:トルクフルでありながら、ライダーが自在に操れる楽しさを追求。低速から高速までスムーズな出力特性を持ち、街乗りからスポーツライディングまで、多様なシーンに対応します。
- サウンドデザイン:CP3エンジンのキャラクターを際立たせる官能的なサウンドデザインが施されており、吸気音と排気音の調和がライディングの高揚感を高めます。
車体構成:歴代最軽量フレームと高性能サスペンション

スーパースポーツとしての本格的な性能を追求するため、車体は専用設計されています。
- 専用アルミフレーム:ヤマハ歴代スーパースポーツの中で最軽量となる重力鋳造アルミフレームを新開発。剛性を大幅に向上させつつ軽量化を実現し、高速域での安定性と低速域での柔軟な応答性を両立しています。
- サスペンション:前後にはKYB製の新型サスペンションを装備。特にフロントフォークは左右独立式の減衰力調整機構を持ち、圧側(高速・低速)と伸び側を細かくセッティングできる高性能な仕様です。
デザインと電子制御:進化する「R」のDNA

「YZF-R9」のデザインは、YZF-Rシリーズの伝統的なスタイルを継承しつつ、空力性能を高めるウイングレットの採用など、機能美を追求した進化を遂げています。
- スタイリング:M字ダクトと2眼のポジションランプという「R」シリーズのDNAを継承しつつ、単眼ヘッドランプをインテーク内に配置することで、無機質でクールな表情を演出しています。
- 充実の電子制御:ライディングモードは「スポーツ」「ストリート」「レイン」に加え、「カスタム」およびサーキット走行を想定した「トラックYRC」など、多様なモードを用意。第3世代へと進化したクイックシフターやクルーズコントロールも搭載し、ライダーをサポートします。
まとめ:幅広いシーンで楽しめる新世代SS
「YZF-R9」は、MT-09由来のトルク豊かな3気筒エンジンの楽しさと、専用設計された高性能な車体が生み出す高いスポーツ性能を両立したモデルです。サーキット志向のライダーから、日常のツーリングも楽しみたいライダーまで、幅広いニーズに応える万能なスーパースポーツとして、市場に新たな選択肢を提供します。
